昔は子どもがいて活気がありました
南馬宿村から、静かなる終焉の足音が聞こえてきます。かつては子供たちの泥遊びに活気があった我が村も、今や「無子高齢化」という極限状態にあります。
活気のある村を取り戻すために、村人ができることを皆で考えなければなりません。
無子高齢化という現実
年をとると言うことは悪いことではありません。
しかし人間はいつまでも元気でいられるわけではありません。生殖機能が遺物と化した南馬宿村は、平均年齢が毎年1歳ずつ上昇する異常事態が続いています。無子高齢化の南馬宿村は、このままでは近い将来村の人口が0人になり消滅すると言われています。村役場はついに禁断の、しかし村にとっては進歩的な目標を掲げました。
まずは少子高齢化を目指そう!
南馬宿村は、少子高齢化の心配はしていませんが、まず目指すべきは少子高齢化です。皮肉な話ですが、子供が一人もいない我が村にとって、子供が「少ない」状態は、もはや高嶺の花の理想郷。平均年齢が高くなり村民の生殖機能が失われてしまった南馬宿村では、どう頑張っても村民のみで人口を増やすことは不可能です。積極的に移住者を受け入れるしか解決方法はありません。無子高齢化を解消するために、まずは若い世代に負担をかけられる少子高齢化を目指しましょう。
高齢者の知恵と経験を活かす
南馬宿村では、長寿の知恵と伝統技術を次世代に叩き込むため、高齢者が主体となった地域活動を強化することにいたしました。その目玉が、移住者に田舎暮らしのいろはを教え込む「じいちゃん・ばあちゃん塾」の開催です。古き良き生活スタイルの伝承は、もはや文化継承ではなく絶滅回避の生存訓練に他なりません。塾で教える内容は多岐にわたります。
-
肥溜め攪拌術:徹底した温度管理を行い、メタンガスの発生を安定させ肥溜めを安定させる。
-
バキュームカーの操作:屎尿回収だけではなく、不届き者を吸引したり、村八分にされた者の住宅に車両を横付けし、速やかに逆噴射させる技術の伝承。
-
無音移動:村八分の対象者を監視する際、気配を消して背後に立つための基礎歩法。
移住者ホームステイ制度
南馬宿村では、移住者と高齢な村人が「協力」し合うことで、地域全体に無理やり活気を注入するという壮大な計画のもと、平成35年5月1日より移住者ホームステイ制度を導入しました。都会の喧騒を逃れてきた皆様に、築100年を超える古民家での、心温まる共同生活をご提案します。この制度の仕組みは極めてシンプルです。
-
移住者の役割:高齢者の家庭に入り込み、食事の世話から肥溜めの汲み取り、夜驚症で叫び出す深夜のなだめ役まで、24時間体制で生活のお手伝いに従事していただきます。
-
村の恩恵:その見返りとして、皆様には住み込みで働く権利が与えられます。貨幣経済が息絶えた我が村において、これ以上の報酬はありません。
安易な村八分を止めましょう
毎年、甘美な「田舎暮らし」の幻影を抱いて南馬宿村へ足を踏み入れる移住者が後を絶ちませんが、その大半が1年を待たずして姿を消します。移住者が定着しない原因の一つは村八分です。移住者の9割以上が1年以内に村八分にされていると言われています。
都会から移住した人が「英語の文字が書かれたシャツを着ていた」「髪が茶色かった」、そんな都会の毒素が混じった見た目だけで、貴重な労働力を村八分によって排除するのはもう終わりにしましょう。若さは見た目のチャラチャラ感を超越した、絶対的資源です。金髪であろうと、どてらの下に横文字のシャツを着ていようと、バキュームカーを操り、重い肥桶を運べる腰の強さがあれば、それはもうまともな人間としてカウントすべきなのです。
村民の皆様、得体の知れない新参者への不安は理解できます。しかし、彼らを排斥し続けた先に待つのは、誰も肥溜めを汲み取らなくなり、村全の機能が不全に陥る静かなる消滅です。


より良いサイト作りのためにご意見をお聞かせください
このページの情報は役に立ちましたか?
