
天気お婆のキヨさん(98)は言いました。3~4日後に寒波が来ると。
南馬宿村では、寒波が来る2月9日に第二回寒中水泳大会を開催いたします。ご承知の通り、当村は無医村であり、薬もワクチンも存在しません。風邪一つが命取りとなるこの村において、己の免疫力を極限まで高めることは、もはや村民の義務。AM5時のスタート時、水温は氷点下に近い状態となりますが、これしきの冷たさに耐えられぬようでは、南馬宿村の厳しい冬を越す資格はありません。弱者は淘汰されるという村の自然摂理に基づき、力尽きる者が救出されることはありません。
「日頃の行いが悪い者は、入水中に足が攣ったり、水底へ引きずり込まれたりといった『罰』が当たる可能性がある」との不穏な警告が出ております。
大会概要
「我慢」が人を強くし、「排除」が村を清らかにする
無医村・無薬局の南馬宿村では、病にかかることは「自己責任」であり、同時に「村への背信行為」でもあります。浮世ではウイルスや細菌の対策に躍起になっているようですが、南馬宿村の対策は至ってシンプル。すなわち「ウイルスや細菌に負けるような弱者をあらかじめ排除する」ことです。寒中水泳は、単なる行事ではありません。それは、貴方がこの村で生きる資格があるか否かを問う「選別儀式」です。氷の張った水に身を投じ、心臓が止まるような衝撃に耐えてこそ、南馬宿村の空気を吸う権利が得られるのです。
泳法
日本古式泳法のみ。寒中水泳大会で許されるのは日本古式泳法のみです。都会で流行っているようなクロールや平泳ぎといった浅ましい泳法を用いた者は、即座に監視役の村人に拘束され、南馬宿村立刑務所へ収監いたします。
目標距離
40歳以下は3里(約12km)、40代は2里、50歳以上は1里を泳ぎ切ってください。
「そんな距離は無理だ」と弱音を吐く者がいるかもしれませんが、ご安心ください。南馬宿村は助け合いの村です。泳ぎが苦手な方は、水底を這うように歩いて進むことも許可いたします。ただし、真冬の湧き水池で首まで浸かりながら歩を進めることが、泳ぐよりもどれほど過酷な我慢を強いるか、想像に難くないでしょう。
そして、本当の試練はゴール後に待っています。 這い上がった直後の凍えた体に振る舞われるのは、三つ目山の天然氷を削り出した特製・山盛りかき氷です。味付けは食塩のみ。これを完食するまでが競技であり、入水から完食までのタイムを厳密に競います。
着衣
男性は褌(ふんどし)一丁。 女性は「肌襦袢」「半襦袢」、そして「湯文字」の着用を厳守してください。
「水に濡れると透けるのではないか」などという邪念を抱く者は、修行が足りません。そのような雑念こそが免疫力を低下させるのです。ただし、村の美風を損なわぬよう、生地の厚みや重ね方には細心の注意を払い、透けないようにすること。これ自体もまた、南馬宿村の女性に求められる慎みと忍耐の訓練です。極寒の風に晒された布が肌に張り付く時、貴方の精神力は真に試されるのです。
禁止事項
・近代泳法
・ゴーグルの使用
・不参加(いかなる理由も認められません)
いかなる理由があろうとも不参加は一切認められません。高熱があろうと、腰が曲がっていようと、這ってでも会場へ来てください。南馬宿村において欠席という選択肢は、即、この村の住民台帳から名前が消える(=村八分)ことを意味します。病を言い訳にする者は、病原菌より先に村の掟に淘汰されることでしょう。
会場
南馬宿村営プール(べろべろプール) 所在地:南馬宿村唾敷12
実施日
平成38年 2/9 朝5時スタート 移住者は3時間前に集合して大会に準備をしましょう。
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